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第2回 みらいつくり哲学学校 『全体性と無限』「序」開催報告

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22/4/12

 

2022年4月12日(火) 10:30~12:00、第2回となる「みらいつくり哲学学校オンライン」を開催しました。

 

今年度の哲学学校は、火曜日の10:30~12:00に開催します。

昨年度と同様、奇数回と偶数回を交互に行います。奇数回・偶数回合わせて全30回の予定です。

 

奇数回は、ちくま新書『世界哲学史』を第1,8巻から「折りたたみ」で読んでいきます。

偶数回は、講談社学術文庫 エマニュエル・レヴィナス著『全体性と無限』になります。

 

当日の大まかな流れや参加方法などの詳細は、本記事末尾のお知らせページより、ご確認ください。

 

第2回は、『全体性と無限』の序部分についてです。

 

偶数回は基本的に、みらいつくり研究所 所長の土畠先生がレジュメ作成・報告を担当してくれます。

 

今回の範囲であった序部分は、この本で取り扱う内容の概観について触れていました。

レヴィナスは、戦争というものが全体性と結びついており、その全体性に対置するものとして、「外部性」や「無限」というものを考えていこうとしています。今回は、「倫理」「主体性」「意識」などのキーワードが登場していました。

レヴィナスは、一昨年の課題図書の著者であったハイデガーの考えに対して批判的で、各所にこれはハイデガーの考えを批判するものであるとわかるものもありました。

このように、学びを積み重ねているからこそ分かる内容もありますね。

また、序部分の最後に「1章(次回からの内容)は、読みにくく、読む気を失うかもしれないが、諦めずに読み進めて欲しい」という著者からの激励があったりもしました。

 

 

ディスカッションの時間は、「レヴィナスとはどういう人なのか」というところから始まりました。『全体性と無限』が哲学書としては初の著書で、以前は学校の校長をしていたそうです。

その後は「全体性」とは何なのかという質問から、参加者が簡単に説明してくれるという場面や、「道徳と倫理の違いは?」という疑問に対して「ちょうど同じ疑問を持って見つけたページがある」というように、参加者同士で様々な情報をやり取りする場面が多く見られました。

また、全体性というものに関連して、近頃の世界情勢を絡めた話や、障害などを取り巻く「マイノリティとマジョリティ」についての話題にもなりました。

 

 

回を重ねるごとに、参加者同士の連携?が生まれたり、新しい参加者が参加してくれることで、また違う風が吹いたり、面白い時間だと思います。

 

 

次回、第3回(奇数回)は、4月19日(火)10:30~12:00、ちくま新書『世界哲学史』より「1巻 3章と8巻 9章」部分を扱います。

レジュメ作成と報告は、1巻部分を稲生会の非常勤医師の荒桃子先生、8巻部分をみらいつくり研究所 学びのディレクターの松井翔惟が担当します。

第4回(偶数回)は、5月10日(火)10:30~12:00、エマニュエル・レヴィナス『全体性と無限』より「第Ⅰ部 <同>と<他> A.形而上学と超越」を扱います。

 

 

参加希望や、この活動に興味のある方は、下記案内ページより詳細をご確認ください。

皆さまのご参加をお待ちしております。

 

執筆:吉成亜実(みらいつくり研究所 リサーチフェロー兼ライター)

 

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2022年度哲学学校のお知らせ

 

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