Works

作品No.003_しさくの広場2021夏

「To the garden of Siloam」

 

数時間前にはのぼりはじめた太陽に
あたためられつつある朝の空気
まだ強すぎない光をあびて新樹の緑さす

真上につづく透明な 空のつながるその先に
熱く乾いた土の匂い

勢いよく見上げた青
心のなかで叫んでみる

Good Morning to You !

 

ペンネーム cheer


交流週
・7月23日から建築資金のクラウドファンディングが始まった、ケニアの障害児支援施設「シロアムの園」への応援メッセージですね。「数時間前にはのぼりはじめた太陽に」のところ、「いま、この場所から見た数時間前」なのか、日本とケニアの時差を意味しているのか、後者だったらまた面白いなと思いました。最初が三行、二、三段落が二行、そして最後に一行と、なかなか見ない面白い構成です。二、三段落は、「真上に」「空」「見上げた」と、「上の方向」に視点を向けています。二段落の後半は「熱く乾いた土」が出てくるので、日本の「上の方向」からケニアの「土」に視点が飛んでいくというイメージなんでしょうかね。そうなると、三段落目でまた(おそらく)日本の「上の方向」に視点を向けることになるので、上だったり下だったり、日本だったりケニアだったりと、「視点」の移動が多いのかなと思いました。最後の Good  Morning to You! は、日本とケニアの時差を考えると、両方が同時に「朝」となることはありませんが、違った意味での「朝」なんでしょうね。偶然ですが、No.001の「雨」との連動性が興味深いです。

太陽の日差しの感じ
朝の空気のにおい
まだ静かに照らされ、ひっそりきらきらする緑の感じ
穏やかな大地
青く広がる空
私自身の心に浮かぶ風景や五感で感じる感覚
色々な風が広がりました。
cheerさんは、心のなかで何を叫んだのでしょう?
皆さんは、心のなかで何を叫んだのでしょう?
こどもたちは、心のなかで何を叫ぶのでしょう?
うちの猫ちゃんは、心のなかで何を叫ぶのかな…?
動物たちは、心のなかで何を叫ぶのでしょう?
太陽と月は、心のなかで何を叫ぶのでしょう?
自然からはどんな叫びが聴こえるのでしょう?
大地からはどんな叫びが聴こえるのでしょう?
空からはどんな叫びが聴こえるのでしょう?
世界からはどんな叫びが聞こえるのでしょう?
と、耳をすましてみました。
素敵な作品の共有、ありがとうございました。

・情景が目にうかんでくるようで一緒にさけびたくなる気持ちになりました。


推敲週
今年の暑い暑い夏の太陽は、まわりの色をいつもの何倍も鮮やかに輝かせていたように感じました。

夏の朝、外に出た時にとびこんできた景色に思わず、詩を書いてみたくなりました。

湿気とともに気温も匂いも音も、なんだかいつもより肌でじっとり感じるような気がして、視力までいつもよりはっきり遠くが見えて、まだ行ったことのないケニアの地にまでつながったような感覚を覚えました。

アフリカで障害をもった子どもたちが通う「シロアムの園」をつくられた公文和子先生の著書のタイトル「グッドモーニングトゥユー」。シロアムの子どもたちは毎朝、しゃべれる子もしゃべれない子も、動ける子もからだの一部を少ししか動かせない子も、みんな一緒にGood Morning to You!の歌をそれぞれのやり方で歌って1日が始まるそうです。

そのひとりひとりの素敵な顔を想像しながらこどもたちにとどくようにと、わたしも思いきって、高くきれいな空に向かってgood morning to you!と叫んでみました。