Works

しさくの詩集7月号(第2回しさくの広場)作品No.005

いのち

 

僕ではないあなたのいのち

それはあなたの中にあるいのち

でも

僕の中にあるあなたのいのちは

雪解けのあの春のにおいの中に

お気に入りの音楽の中に

楽しいごはんのときにも

あたたかいふとんにくるまっているときも

ひとりクルマでラジオを聴いているときも

思い出すあなたのいのち

 

近くにいるあなた

遠くにいるあなた

相性のいいあなた

ちょっぴり苦手なあなた

もう逢えないあなた

いまひざで眠るあなた

 

僕のいのちにあなたがつながっているように

あなたのいのちに僕がつながっていますように


week2

「あなた」は一人ではないのでしょうね。「不在の存在」を思いやる感じが伝わってくる、素敵な詩です。

―――

あたたかい気持ちになりました。

―――

作者の方は「いのち」を個人では捉えていないのかな、と考えました。誰もが大切だと疑わない「いのち」。でも何かよくわからない「いのち」。私も「いのち」について自分の言葉で表現できるようになりたいと思いました。


week3