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グリーフを抱える人の当事者研究Season5-5 開催報告

   

「グリーフを抱える人の当事者研究」Season5-5
開催報告

 

 (前回までの当事者研究開催報告につきましてはこちらをご覧ください)

 

本日のテーマ

『命日・記念日 どう過ごしてる?』

 

  1. 記念日反応について

初期の当事者研究において、グリーフアドバイザーの資格を持つ参加者より、死別後に起こる『記念日反応』について説明がありました。

記念日反応とは、死別後、故人に関連する特別な日の前後で心身に生じる反応のことです。これは自然な反応の一つであり、死別から時間が経過した後でも、突然起こることがあります。

**『特別な日』**には、命日に限らず、誕生日、結婚記念日、思い出の日、年末年始やお盆などが含まれます。亡くした対象によっては、父の日、母の日、こどもの日、クリスマス、七五三、卒業式、成人式なども該当します。

また、特に記念日ではなくても、「桜」「雪」「夕焼け」など、季節や時間を象徴する事柄が無意識のうちに関連づけられ、気分の落ち込みにつながることもあります。

これまでの本研究の中で報告された心身への表現は多岐にわたり、「落ち込み」「不眠」「イライラ」「インフルエンザ(これまでかからなかった)」「ぎっくり腰」「面疔」「蕁麻疹」といった症状が確認されています。また、本日の参加者の中には、医療職としての立場から「退院させた日」を特別な日として挙げる方もいました。

 

  1. 参加者の経験談(亡くされた対象別)

本日の参加者が亡くされた対象は、お子さん、配偶者、親・親戚、友人など様々でした。

 

2.1. お子さんを亡くした方の場合

特徴的だったのは、お子さんを亡くした方々にとって、「誕生日」がいつまでも特別な日であることが多いという点です。

過ごし方としては、例えば、このような例があがりました。

・その子にゆかりのある場所を巡るツアーを企画する。

・家族で事前に今年の過ごし方を話し合う。

・ケーキでお祝いをする。

・子どもの友人や関わっていた方たち(訪問看護師など)と集う会をする。

一方で、「命日」については、心穏やかでなくつらい、または時の経過とともにどの日であったか意識が薄れていった、という経験も語られました。

両親やきょうだいにとっては「誕生日」の方がより大きな意味を持っていても、義理の両親や知人にとっては命日に言葉やお花などが寄せられることも少なくなく、でも、そうであっても「思い出してくれることがうれしい」という言葉もありました。

入学式や成人式など来るはずだった、迎えられなかった記念日はどう?という問いかけに対しては、それを祝うという参加者はおらず、むしろ迎えている人に対するうらやましさや、悲しさがでると思う、という回答があがりました。

 

2.2. わが子以外を亡くした方の場合

亡くした対象が子ども以外の場合は、「誕生日」よりも「命日」や「お盆」などにお墓参りをしたり、故人が好きだったものをお供えしたりする方が多い傾向が見られました(宗派や信条により異なります)。

 

  1. その他の身体反応に関する経験談

記念日反応とは異なりますが、きょうだいとの死別後に顔面麻痺や円形脱毛症などの身体反応が現れた例も報告されました。それを見ていた母親は、「あの子(亡くなったきょうだい)の話をするのはストレスになるのだろうから、話さないようにしよう」と考えたという経験談も寄せられました。

 

もちろん、これらの反応はひとによって異なります。
だけれども、「そういう方がいた」と知ることは、グリーフという道もない霧の中を歩む私たち「グリーフを抱える人」「グリーフを抱える人とともに生きる人」にとって、足元を照らす非常口誘導灯のような、、いや、もっとぼんやりしたあやふやな、蛍のような感じかもしれませんけれども、それでも、希望のかけらのともしびになるのではないかと思っています。

そんな当事者研究のSeason 5も今回の5回目で一区切りとなりました。Season 6は2026年4月か5月ごろからの開催を考えています。企画したい方、参加したい方、どうぞご連絡ください。

 

 

 

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Season 6は2026年4月か5月ごろからの開催を考えています。

ご興味のある方はお気軽にご連絡ください。

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  『グリーフを抱える人の当事者研究』目的

①「身近な方との死別によるグリーフ」について、同じような体験をした仲間と集い、語り、聴き、共感し、語り直す機会とすること。

② それらを通じて感情や考えの整理をし、新たな意味づけをすること。

③「グリーフを抱える人」と共に生きるためのヒントを提供すること。

 

 

『グリーフを抱える人の当事者研究』実施テーマ一覧

Season1(2018年 5回)

第1回「喪失後の体調変化について」

第2回「宗教とグリーフの関係について」

第3回「社会的役割とグリーフについて」

第4回「グリーフと共に生きる。   グリーフと共に生きる人と生きる。」

第5回「これまでの振り返り」

 

Season2(2020年 1回)

第1回「最近の様子」

 

Season3(2021年 5回)

第1回「写真展に『会いに行く』」2021年4月22日(木)10:00~11:30

第2回「亡くなった方との関係性の変化」2021年5月27日(木)10:00~11:30

第3回「あの人を想い出させる〇〇」2021年7月30日(金)10:00~11:30

第4回「フラッシュバックの状況報告」2021年7月30日(金)10:00~11:30

第5回「グリーフを伝えること」2021年10月1日(金)10:00~11:30

 

Season4(2023年7月~2024年8月)

第1回「研究の研究の研究」2023年7月21日(金)10:30~12:00

第2回「死を告げるということ」2023年9月20日(火)10:30~12:00

第3回「何故死を語ることはかくも難しいのか」2023年11月15日(水)10:00~11:30

第4回「Allan Kellehear講演会の振り返り」2024年1月24日(水)10:00~11:30

第5回「コンパッションに満ちた場づくりの計画」2024年3月13日(水)10:00~11:30

「コンパッションに満ちた場作りの企画MTG」
①2024年4月24日(水)12:00~13:00
②2024年5月29日(水)12:00~13:00
③2024年7月03日(水)10:00~11:00
④2024年8月14日(水)10:00~11:00

「旅の途中のお食事会」2024年8月31日(土)10:00~13:30

 

Season5(2025年5月~2026年1月)

第1回「『もの』どうしてる?」2025年5月15日(木)10:00~11:30

第2回 ”グリーフ当事者”としてのふるまい方 2025年7月10日(木)10:00~11:30

第3回 「亡くなる前後に関わっていた人たちに係わること」 2025年9月4日(木)10:00~11:30

第4回   『グリーフと共に歩む家族の物語』 2025年11月6日(木)10:30~12:00

第5回 『命日、記念日 どう過ごしてる?』  2026年1月8日(木)10:30~12:00

☆Season6(2026年春~)企画・参加者募集中☆

 

【グリーフを抱える人の当事者研究についてのお問い合わせ・お申し込み】

医療法人稲生会 目黒

011-685-2799

meguro-yu@kjnet.onmicrosoft.com