「グリーフを抱える人の当事者研究」Season5-4
開催報告
(前回までの当事者研究開催報告につきましてはこちらをご覧ください)
『 グリーフと共に歩む家族の物語』
【親が亡くなった後の話】
お気に入りの喫茶店
めずらしくマスターと
一対一になった
実は、
お会いしたことがあるんですよと言われた
親の最期の時期に
看護に関わってくれていた方だった
わたしにとっては当たり前のことだったけれど
ケアの技術を教えてほしいといったことが
はじめてでびっくりしたという
わたしの知らない
親との時間のことも
おしえてくれて
うれしかった
【子どもが亡くなった後の両親の働き方の話】
子どもが亡くなった後
何のために、誰のために働くかを考えて仕事を選びました
亡くなった子のように
病気や障害をもつ子どもたちと関わるように導かれた感じがしました
【子どもが亡くなった後のきょうだいの話】
母として:
子どもが亡くなるころ
家族みんな風邪をひいて咳をしていたんです
亡くなったあと
きょうだいが
わたしがうつしちゃったのかも
わたしのせい?
、、とつぶやきました
誰のせいでもない
と分かっていながらも
自分自身も家族からうつしてしまったか
そう思っているところだったので
まだ小さかったきょうだいが
自分の責任を感じていることがショックでした
そのときからだいぶ時が経ちますが
いまどうおもっているのか
話す機会はなかなかありません
母として:
きょうだいが
夜の夢の中で
亡くなった子とよく遊ぶという
パパママへの伝言もきいているという
昼は会えなくて寂しいんだ
パパとママもいなくなっちゃうの?
そんな怖さを一人で抱えているという
医療者として:
まだ未就学の子
亡くなったということの理解がまだ難しくて
みんなが亡くなった子の周りにいることに
自分のところには誰も来てくれないことに
怒っていた
この時期の子どもは
死の概念はしっかり理解できないことだけど
あいまいな表現ではなく
死が不可逆的なことは
伝えなければならない
そして論理的ではないつながりを関連づけてしまうことがある
それはマジカルシンキングと呼ばれて
たとえば
自分がお菓子を分けてあげなかったから
きょうだいがしんじゃったと関連づけるようなこと
そう学んでいたから
「もう起きないんだよ」
としっかりつたえた
まだ不思議そうな顔をするその子に
「もう痛くないんだって」
そう伝えると
ぱぁっとうれしそうな顔になった
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アメリカでは
死別を体験したきょうだいが集う
グリーフキャンプがあり
日本でも
きょうだいの会や集える機会があります
CLS(チャイルド・ライフ・スペシャリスト)という
職種のひとたちもいて
家族や子どもへの関わりの中で
グリーフのことにも関わるといいます
これからも
まだまだ
考えていく部分ですね
そして今回は
家族がうまくいなかった物語は
共有されなかったけれど
価値観の違いが明らかになって
別々な道をすすむことを
選択する家族もいます
どんなかたちであっても
その方が気づかせてくれたことを
大切に生きている
そんな姿を拝見しています
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次回のテーマは
【命日、記念日 どう過ごしてる?】
お別れから日が浅い方
いない時間を長く過ごした方
皆様のご参加をお待ちしております
2026年1月8日(木)10:30~12:00 オンラインでの開催です
ご興味のある方は、ぜひお問い合わせください

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『グリーフを抱える人の当事者研究』目的
①「身近な方との死別によるグリーフ」について、同じような体験をした仲間と集い、語り、聴き、共感し、語り直す機会とすること。
② それらを通じて感情や考えの整理をし、新たな意味づけをすること。
③「グリーフを抱える人」と共に生きるためのヒントを提供すること。
『グリーフを抱える人の当事者研究』実施テーマ一覧
Season1(2018年 5回)
第1回「喪失後の体調変化について」
第2回「宗教とグリーフの関係について」
第3回「社会的役割とグリーフについて」
第4回「グリーフと共に生きる。
グリーフと共に生きる人と生きる。」
第5回「これまでの振り返り」
Season2(2020年 1回)
第1回「最近の様子」
Season3(2021年 5回)
第1回「写真展に『会いに行く』」2021年4月22日(木)10:00-11:30
第2回「亡くなった方との関係性の変化」2021年5月27日(木)10:00-11:30
第3回「あの人を想い出させる〇〇」2021年7月30日(金)10:00-11:30
第4回「フラッシュバックの状況報告」2021年7月30日(金)10:00-11:30
第5回「グリーフを伝えること」2021年10月1日(金)10:00-11:30
Season4(2023年7月~2024年8月)
第1回「研究の研究の研究」2023年7月21日(金)10:30-12:00
第2回「死を告げるということ」2023年9月20日(火)10:30-12:00
第3回「何故死を語ることはかくも難しいのか」2023年11月15日(水)10:00-11:30
第4回「Allan Kellehear講演会の振り返り」2024年1月24日(水)10:00~11:30
第5回「コンパッションに満ちた場づくりの計画」2024年3月13日(水)10:00~11:30
「コンパッションに満ちた場作りの企画MTG」
①2024年4月24日(水)12:00~13:00
②2024年5月29日(水)12:00~13:00
③2024年7月03日(水)10:00~11:00
④2024年8月14日(水)10:00~11:00
「旅の途中のお食事会」2024年8月31日(土)10:00~13:30
Season5(2025年5月~現在進行中)
第1回「『もの』どうしてる?」2025年5月15日(木)10:00-11:30
第2回 ”グリーフ当事者”としてのふるまい方 2025年7月10日(木)10:00-11:30
第3回 「亡くなる前後に関わっていた人たちに係わること」 2025年9月4日(木)10:00-11:30
第4回 『グリーフと共に歩む家族の物語』 2025年11月6日(木)10:30~12:00
第5回 『命日、記念日 どう過ごしてる?』 2026年1月8日(木)10:30~12:00
【グリーフを抱える人の当事者研究についてのお問い合わせ・お申し込み】
医療法人稲生会 目黒
011-685-2799
meguro-yu@kjnet.onmicrosoft.com